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リネンやハーフリネン(綿麻)生地の水通しのやり方と地直し方法まとめ

天然繊維のリネンやコットン生地は、爽やかな風合いが人気で洋服にも雑貨にもよく使われていますよね。

リネン(麻)の入っている生地は水によってしわや縮みが出る特性があるので、裁断前の水通しが必要だとご存じでしたか?

裁縫の本でもよく見かける「水通し」は、時間も手間もかかります。

しかし、ここで手抜きをしてしまうと苦労して仕立てた洋服が洗濯で縮んでしまう事もあるんです。

そんな失敗をしない為に、今回は基本的な水通しの仕方をまとめます!

リネンとハーフリネン(綿麻)生地の特徴

リネン

麻(リネン)は吸水性がとても高いのが特徴となります。

その吸水性はなんと綿の約4倍・シルクの約10倍もあるんです。

また通気性にも優れているため、汗などを良く吸っても早く乾いたり、カビや雑菌の繁殖を抑えたりしてくれますよ。

このため、特に暑い時期の洋服にはぴったりの素材だと言えるでしょう。

さらに高級なリネンには、特有のツヤ感があります。

ROSE
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リネンは、実際に触ってみると他の生地と比べてややハリがあり、硬くてさらっとしています。

これは「シャリ感」という言葉で良く表現されます。西洋では、この心地よい肌触りが好まれて、高級下着などにも使われていたそうですよ。

ハーフリネン(コットンリネン)

文字通り「リネンとコットンを混ぜた生地」を指します。

~リネン(麻)の特徴~

〇軽くて風を通しやすい
〇しなやかな張りがある
〇爽やかな肌触り
△染料で染めにくく色落ちしやすい

~綿(コットン)の特徴~

〇ふんわりと優しい肌触り
〇ナチュラルで心地よい風合い
〇染色しやすくプリントなどの発色が良い

リネンの弱点である染色しにくい特徴を、コットンを合わせる事で染めやすくしたのがハーフリネンです。

販売店でも「リネン100%」よりも「ハーフリネン」の方がカラーが豊富ですよね。

お値段としては、ハーフリネンの方がお手頃となっています。

なぜ水通しが必要なのか?

裁断後の生地の縮みを減らすため

布はどのような種類でも、水に通して乾かすと多かれ少なかれ縮みます。

それを「布の状態で先に一度縮ませてしまいましょう」という作業が「水通し」です。

このひと手間によって、後から洗濯をしても縮みにくくなりますよ。

ROSE
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布が縮むのを考慮して、大き目のサイズで裁断しても良いのでしょうが、布によって収縮率は違いますので、何%大きくするかを決めるのは難しいですよね。

このため、水通しで縮ませた布を型紙に合わせて裁断するのが、一番間違いないやり方となります。

麻などの縮みやすい布は、水通しによっておよそ3~5%ほど縮みます。

また水通しの作業の中で布端がほつれたりもしますので、天然繊維の布を購入する場合は余裕をもってカットしてもらうのが良いでしょう。

生地の地直しをするため

販売店では、布はロール状に巻かれていたり畳まれていたりします。

その過程で垂直に交わっていたはずの縦横の糸が歪むことが多々ありますので、それを正しく戻すために「地直し」が必要となります。

水通しをした布を正しく整えてアイロンをかけることで、布の歪みが取れるのです。

生地の糊を落とすため

製造過程でパリッとさせるために糊がついている事がありますので、水通しする事でそれを落とします。

特にお肌のデリケートな赤ちゃんが使う物を作る場合には、丁寧に糊を落としてあげたいですね。

水通しの手順

水に数時間つける

布を適当な大きさにたたんで、水に浸けます。

布の内側には水が浸透しにくいので、布をたたんだ折り目をめくりながら、まんべんなく水がいきわたるように浸けてくださいね。

画像は「カーキブラウンのリネン100%」の生地ですが、30分ほど付けた状態です。少し手で押すと色が出てきました。

目安としては、生地がしっかりと水を吸収するまで数時間(私は2~3時間つけています)浸ければ良いでしょう。

ROSE
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色落ちのしやすさは、生地によって本当にさまざまです。

色落ちする生地は、数十分ほど浸けてからそっと押すと水に色が出てくるので、すぐに分かりますよ。

その場合には何度か水を変えながら、長めに浸けるようにしてください。

日陰で半乾きにする

しっかり生地が水を吸ったら手で優しく絞り(もしくはネットに入れて1~2分脱水にかけても)、直射日光をさけて日陰に干します。

私は室内型のおりたたみ物干しを使っていますよ。

布が大きい場合などは、ベランダに干してしまうと外壁に当たって汚れたりしますよね。

この物干しを使って室内に干せば、布が汚れる心配がなくなりますので、大変重宝します。

アイロンをかけて地直しする

まず生地の横糸を1~2本抜き取ります。そうするとうっすらと線が見えますので、その線に沿って生地をカットしてください。

後はその線を頼りに、まっすぐになるように歪みを正しながらアイロンをかけます。

ただそこまで厳密にしなくても、目で見て織りが分かる場合には、四隅を軽く整えながらアイロンがけしたのでも良いと思います。

ちなみに、私がとっても気に入って使っている「ドライアイロン」

スチームタイプにある穴がないので、まんべんなくアイロンがけが出来ます。

また水通しの時は大きな生地のアイロンがけをしますので、コードがついてて使っている間に温度が下がらないのが、本当にストレスなくておススメです!

水通しと地直しの作業は、慣れるまでは少し(だいぶ)面倒ですが、このひと手間で仕上がりが違ってくると思うと頑張れますよね。

またハンドメイド作品を販売される場合などには、お届け後でサイズが変わってしまったというクレームを未然に防ぐことにも繋がります。

ということで、今回は生地の水通しのお話でした。